行列式の求め方
行列式を求める 4 つの方法——2×2 の公式、サラスの規則、ラプラス展開(余因子)、ガウスの消去法——と、それぞれの使いどころ。
行列式は正方行列に結びついたひとつの数です。何よりもまず、「その行列は正則か」という問いに答えます。行列式が 0 なら行は一次従属で、行列は特異、逆行列は存在しません。幾何的には、行列式は面積(2×2)や体積(3×3)を何倍に拡大するかを符号つきで表す量です。
2×2 の公式
2×2 行列の行列式は、主対角の積から反対角の積を引いたものです。
| a | b |
| c | d |
したがって [[1, 2], [3, 4]] の行列式は 1·4 − 2·3 = −2。負になっても何もおかしくありません。符号は、その変換が向きを反転させることを示しています。
サラスの規則(3×3 のみ)
3×3 行列では、最初の 2 列を行列の右にもう一度書き、右下がりの 3 つの積を足し、左下がりの 3 つの積を引きます。
| 1 | 2 | 3 |
| 4 | 5 | 6 |
| 7 | 8 | 10 |
サラスの規則は速くて覚えやすいのですが、3×3 にしか使えません。4×4 版は存在せず、試験で非常によくある間違いです。
ラプラス展開(余因子)
任意の行または列を選び、行列式をその成分と余因子の積の和として書きます。余因子 C(i,j) は (−1)^(i+j) と小行列式の積、つまり第 i 行と第 j 列を除いた行列の行列式です。
余因子展開はどんなサイズにも使え、ある行や列に 0 が多いときは手計算での第一候補です。0 ひとつで小行列式がまるごと消えるからです。ただし計算量は n! のように増えるため、大きな行列には向きません。
ガウスの消去法
コンピュータがやっているのはこれです。行基本変形で上三角行列に変形し、対角成分を掛け合わせます。帳尻を合わせる規則は 3 つ。
- 2 行を入れ替えると行列式は −1 倍になる。
- ある行を k 倍すると行列式も k 倍になる。
- ある行の定数倍を別の行に加えても行列式は変わらない——これが主役の操作です。
計算量は n! ではなくおよそ n³/3 回で済みます。当計算機が 3×3 より大きい行列に消去法を使うのはそのためです。
覚えておきたい性質
det(Aᵀ) = det(A)det(A·B) = det(A)·det(B)det(A⁻¹) = 1 / det(A)- n×n 行列では
det(k·A) = kⁿ·det(A)——スカラーが n 本すべての行に効くからです - 三角行列の行列式は対角成分の積に等しい