行列の階数(ランク)とは?
一次独立な行の本数としての階数、消去法による求め方、そしてフルランクが正則性や連立方程式に何を意味するか。
行列の階数とは、一次独立な行の本数です。同じことですが、一次独立な列の本数でもあります。この 2 つの数は必ず一致し、それは名前がつくほど重要な事実です——行階数と列階数の一致定理です。
求め方
行列を階段形に変形し、0 でない行の本数を数えます。それが階数です。行変形は階数を変えません。だからこの方法が成り立ちます。
| 1 | 2 |
| 2 | 4 |
| 1 | 2 |
| 0 | 0 |
ここでは 2 行目が 1 行目のちょうど 2 倍なので、新しい情報を持たず 0 につぶれます。
上限とフルランク
m×n 行列では 階数 ≤ min(m, n) です。この上限に達する行列をフルランクといいます。正方行列では、フルランクであることは正則であることと同じで、行列式が 0 でないこととも同じ——ひとつの性質の 3 通りの言い方です。
なぜ大切か
- ルーシェ・カペリの定理:連立方程式
Ax = bが解を持つのは、ちょうど階数(A) = 階数([A | b])のときです。その共通の階数が未知数の個数と等しければ解は一意で、そうでなければn − 階数個の自由パラメータをもつ無数の解があります。 - 次元定理:
階数(A) + 退化次数(A) = n、すなわち列の本数。 - 階数は線形写像の像の次元を与えるので、その変換が空間をどれだけつぶすかを測っています。
階数(A·B) ≤ min(階数(A), 階数(B))——掛け算が一次独立性を生むことはありません。