固有値は eig(A)、対応する固有ベクトルは eigvec(A) で求められます。特性多項式は分解タブにあります。
固有値が表すもの
固有ベクトルとは、その変換が回転させない方向のことです。A·v = λ·v ですから、v は伸ばされるか縮められるだけで、その倍率 λ が固有値です。行列が空間に対して行うことはすべて、こうした方向への伸縮の重ね合わせにほかなりません。線形変換をただ適用するのではなく理解したい場面——主成分分析、振動モード、微分方程式の安定性——で固有値が現れるのはそのためです。
すぐにできて、いつでもやる価値のある確認が二つあります。固有値の総和は対角成分の和、すなわちトレースに等しく、固有値の積は行列式に等しくなります。どちらかが合わなければ、どこかで計算を誤っています。
例題
| 2 | 1 |
| 1 | 2 |
| 2 − λ | 1 |
| 1 | 2 − λ |
固有値は 1 と 3 です。トレースが 4、行列式が 3 で、どちらも合致します。固有ベクトルは (1, −1) と (1, 1) で互いに直交しますが、これは偶然ではありません。この行列は対称行列であり、対称行列の固有値は常に実数、固有ベクトルは常に直交します。
よくある間違い
- すべての成分から λ を引く。λI は対角成分にしかなく、ほかの成分は変わりません。
- 零ベクトルを固有ベクトルとして認める。式は満たしますが、定義により除外されています。
- 固有ベクトルが一意だと思う。0 でない定数倍もすべて固有ベクトルです。比べるべきは数値ではなく方向です。
- 固有値は必ず実数だと考える。回転行列には変わらない実の方向がひとつもなく、固有値は複素数になります。